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| 森を守る若手職員 |
| 君津市森林組合 |

フォークリフトを操作する竹ノ内さん |
房総半島内陸部に市域が広がる君津市は、千葉県の中で最も森林資源に恵まれた場所の一つである。山林面積は1万3千ヘクタールあまり。その管理を主として担っているのが、君津市森林組合だ。だが、他聞に漏れず、ここでも森林作業従事者の高齢化は激しく、9割近くが60歳以上。熟練者が年々退職していく現実のなか、重要な担い手となっているのが「緑の雇用事業」によって就職した若手職員たちである。
「緑の雇用事業」は、農林水産省(林野庁)主導のもと、全国森林組合連合会や地方自治体が協力しながら、林業への新規就業希望者の技能・技術の習得を支援するもので、平成14年度からスタートした。君津市森林組合で取り組み始めたのは平成15年度から。これまで14人の緊急雇用(研修生になる前に短期間、森林作業に従事する)を受け入れ、うち7名が現在も同組合で働いている。
山で食べるご飯は格別のうまさ

チップを袋に入れるため重機を操作する吉田さん。こうした大型特殊自動車の作業免許も林業者には必要になる |
竹ノ内和嗣さん(24歳)は以前はホテルで調理師見習いとして働いていた。ホテルを退職後、職探しをしていたときに、知人から勧められて森林組合の仕事を知る。「とても興味があって入ったというわけではないが、もう3年続いているというのは、自分に合っている仕事なのかな」と竹ノ内さん。森林の仕事は長期的視野に立った作業が多いので、次々初めての仕事に直面する。「最初は全然できなかったことが、少しずつできるようになっていくのが面白い」という。一番好きな仕事は間伐。「根元にチェーンソーを入れ、自分の思った方向に木を倒すことができたときは快感」。今後は、苦手な高所での作業を克服するのが目標だ。
「急斜面の登り下りが一番きついかなあ」と語るのは吉田三智明さん(45歳)。吉田さんも緑の雇用事業による転職でこの森林組合に勤務するようになった一人である。枝打ちやワイヤーをかけるために樹上で作業することも多いらしく、「やっぱり恐いし、危険であることは確か」と話す。「でも、その人に合えば面白い仕事だと思う。自然の中で作業するのは気持ちいいし、山で食べるご飯は格別。春の山菜、秋のキノコ採りも楽しみ」と、顔をほころばす。竹ノ内さんも、「早起きするし、生活にめりはりも出てきたし、人込みのストレスがないし、健康的な生活になった」と森林の仕事の魅力を語る。竹ノ内さんはこの3年ほどで20キロ近くスリムになったそうだ。
林業はチームワークと総合力

石野組合長 |
石野正夫代表理事組合長(78歳)は、「山の仕事はチームでやるので、周囲との協調性が求められる。一方的に不満を持っていたり、怠けている人がいると、作業遅れや事故に結び付く」と、チームワークの大切さを強調する。「うちのような規模の小さい職場では、一人の存在は大きい。だがその分、腕を磨けば仕事内容や給料をアップさせることもできる」のだ。
国産材の価格低迷などにより植林や下草刈りといった森林労務は年々減少している。そこで君津市森林組合では、ログハウス建築事業や製炭事業など新規事業に参入し、間伐材の活用に取り組むとともに収益拡大を図ってきた。現場の調整役も務める伊田重美業務課長によると、これからの林業には、柔軟な発想と工夫ができるオールマイティーな人材が求められるという。吉田さん、竹ノ内さんも、「森林組合の仕事は多様。もっと総合的に仕事を覚えていきたい」と抱負を語ってくれた。 |
| 【No.2(2006年夏号)掲載】 |
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