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「大海原で腕一本で生きていく」
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〜水産業への就業支援〜
水産庁企画課長 坂井眞樹
漁業就業の現状と課題
 国内の漁業就業者数は、昭和28年の約80万人を頂点に減少傾向が続き、平成16年の漁業者数は23.1万人と盛時の3割以下となっています。また、近年は高齢化の進行も著しく男子就業者では60歳以上が約半数となっており、逆に25歳以下の若年就業者は全体の3%にとどまっています。
 一方、新規就業者数は、毎年1500人程度と低い水準で推移しており、漁業者の減少はさらに進行すると思われます。今後、こうした状況を放置すれば、漁業生産力はますます脆弱化し、国民への水産物の安定供給に支障が生じる恐れがあります。こうした中で、漁業生産力を担う若い漁業就業者を安定的に確保・育成することは重要な課題であり、これまでの地域の人材に依存した労働力の確保には限界があることから、都市部の若者の受け入れなど新たな視点に立った広域的な漁業就業者確保対策が必要となっています。

水産庁の就業者確保対策
 このため、水産庁では、全国的な視点における新規参入の促進を図る観点から、特に漁業地域外からの新規参入に着目した漁業就業者の確保・育成を図るための総合的な対策を講じています。

漁業就業情報の提供
(社)大日本水産会に設置されている全国漁業就業者確保育成センターでは、漁業就業に関する相談だけでなく、ホームページなどによる求人情報や周辺地域などの情報(その土地の空き家・学校・病院情報など生活環境に関する情報や、船を取得し自立を希望する場合の中古漁船に関する情報など)を提供している他、大都市圏を中心に漁業就業支援フェアを開催しています。また、各都道県には地域漁業就業者確保育成センターが設置されており、地域の特性に応じた就業に関するサポートを行っています。漁業への就業を目指している方は、まずここで情報収集を行うことをお勧めします。

漁業就業のための研修制度
漁業に就業するには、まず第一に漁業技術を身に付ける必要がありますが、漁業には多種多様な漁法があり、対象となる魚の種類や、地域の自然環境に応じて工夫された技法で行われています。このような固有の技術は、個々の漁業者が長い年月をかけて漁業経験から得たものであり、一般的に部外者へは教授されてきませんでした。このことが、外部からの新規参入の障壁となっていたこともあり、水産庁では平成18年度から新たに、就業希望者が漁業に円滑に就業ができるよう漁業現場での6カ月間の研修を実施することとしています(図)。この研修のメリットは、長期間漁村に滞在し、漁業現場において漁業技術を習得することが可能なだけでなく、就業前に漁村の生活を経験することで、スムーズに地域に馴染むことができることにあります。このような研修事業によって、漁業に就業し現在も活躍されている方も多く、漁業への就業を目指す近道となるのではないでしょうか。

漁業就業を希望される方へ
再生産可能な天然資源を対象とする漁業は、21世紀の食料供給産業として極めて重要です。また、我が国の漁業は、広大な排他的経済水域、豊かな漁場と有利な条件に恵まれており、漁業は将来性のある魅力的な職業です。漁業への就業を考えている方や、漁業に興味を持っている方が、この研修制度を利用して、将来の日本の漁業を担っていただけることを願っております。
【No.2(2006年夏号)掲載】
 
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