|
一度決めた漁師の道
簡単には投げ出せない
静岡県浜松市 浜名漁業協同組合所属 幸福丸
高 俊浩さん |
 |
|
文学部へ進むか、漁師になるか

「現実の漁師の世界は厳しいですが、やりがいはありますよ」という高さん |
「器の大きな人間になりたい」大阪市出身の高俊浩さん(21歳)が漁師を目指した理由だ。
高校3年の半ばを過ぎても迷っていた進路。先生に太鼓判を押された文学部への進学か、テレビで見て以来ずっと心に引っかかっていた漁師への道か。人の輪の中で積極的に自分を表現するのが苦手だった高さんにとって、「海の上では厳しいが、陸に上がれば豪快に笑う」そんな漁師の姿は憧れだった。
分かれ道を決めたのは、クラス全員が各々、進路を発表したとき。とりあえず「漁師」と答えたことが発端だった。「漁師」という選択に、さほど親しくなかったクラスメートから寄せられた驚きの声と応援の言葉。両親に相談すると「一番やりたいことに挑戦しなさい」と背中を押してくれた。気持ちは固まった。
自信になったシラス漁の体験乗船
従兄弟が見つけてくれた静岡県立漁業高等学園は、2次募集で滑り込んだ。航海科コースを選択し、遠洋漁業で必要となる技術や知識を学びながら、海技士や2級海上特殊無線技士、溶接修了証などの資格を取得。乗船実習では県練習指導船でマリアナ海域まで出航し、約1カ月間、航行やカツオ釣りの訓練を受けた。
卒業後は大型漁船で遠洋マグロ漁を目指していた高さんがシラス漁を選んだのは、マグロ船の求人がなかったからだけではない。実習で体験したシラス漁があまりにも楽しかったのだ。
「受入先の船頭さんの計らいで、網上げをやらせてもらったんですよ。波が高い日でみんなメチャクチャ船酔いしてたけど、すごくおもしろかった」
ベテラン漁師から「お前いい動きしてるな。いい漁師になれるぞ」と褒められたこともうれしかった。学園へ求人募集が来ていた幸福丸への就職が決まった。
「中途半端で帰ってくるなよ」
幸福丸は遠州灘を漁場に、シラス漁や小型底引き網でマダイなどを捕っている。乗組員は8名。ベテラン漁師に囲まれ、高さんは自分にできることから仕事を覚えていった。学園で学んだとはいえ、ロープの太さが違えば、巻き方も異なる。
初めは「都会の子に務まるのか?」と疑っていた地元漁師もいまでは可愛がってくれる。幸福丸の船頭で漁協の専務理事を務める内山さんからも「まじめで働き者。仕事の飲み込みも早い」と評価は高い。年間操業日数は180
日〜200日。ほかの漁船に比べて多いが「その分、早く一人前になれる」と前向きに発想する。
やりがいを感じるのは大漁で水揚げ作業が忙しいとき。つらいのは、寒さに弱い体質で、かじかんだ指先が思うように動かせず魚の仕分けができないとき。正直、辞めたくなることもあるが、そんなときは卒業時のクラスメートの言葉を思い出す。「中途半端で帰ってくるなよ」
これから漁師を目指す人へのメッセージをお願いすると「一度目指した夢を、途中で投げ出さないでほしい。夢を追えるのも、親や友人の協力があってのことなのだから」と返ってきた。あどけない笑顔の奥に、海の男の魂が宿っていた。 |
さまざまな漁業技能の修得を目指す
静岡県立漁業高等学園
遠洋漁業の基地・静岡県焼津市にある同学園。静岡県が、次代の漁業を背負って立つ漁船幹部職員を養成することを目的に設立した職業訓練の学校である。
全寮制1 年間のカリキュラムでは、海で働くためのさまざまな技術や知識を身に付けることができる。コースは主に操縦について学ぶ航海科と、エ
ンジンについて学ぶ機関科の2科となっているが、3カ月間の沿岸漁業コースもある。
URL:http://www.pref.shizuoka.jp/nousei/ns-36/ |
| 【No.6(2007年初夏号)掲載】 |
|
 |
 |
| |
 |
 |
| IJUガイド |
 |
 |
|
|
|
 |
|
ジャンル別情報一覧 |
 |
 |
|
|
 |
|
 |
|
 |
|
 |
|
|
 |
|
|
 |
|
|
 |
|
 |
|
 |
| ポリシー | iju infoについて |
| 個人情報対応 | メディア情報 |
| トップページへ |
|
| |
| ■PDFファイルについて |
| このサイトでは、PDFファイルを使用しております。PDFファイルを表示するにはアドビシステムズ社のアドビリーダーが必要です。アドビリーダーはアドビシステムズ社より無償で提供されています。下のアイコンをクリックすると、ダウンロードすることができます。 |
 |
|
 |