
ジャガイモ畑に立つ有田代表。安芸津特産の赤土馬鈴薯も、同社の人気商品だ |
麓久志さん(25歳)は、(有)有田園芸農場に入社して3年。その名刺には「営業部」と刻まれている。「最近、営業という仕事の深さがわかってきました」と話すその表情は、輝いている。
いろいろな人と共感できる仕事
「花とみどりのトータルプランナー」をうたう有田園芸農場は、花壇苗、野菜苗、観葉植物、鉢花、ジャガイモ等の生産・卸売をしている。パートを含めて約80人の社員は、生産部、物流部、営業部、総務部、業務部のいずれかに所属する。部門制には、各人の役割・責任を明確にする意図とともに、有田隆則代表取締役の「その道のプロになってほしい」という思いが込められている。
麓さんが属している営業部は、事務2名を含めて全9名。最も人数が多いのが生産部だ。入社当初、麓さんは生産部希望だったのだとか。「でも面接で、『多種多様な花を扱えるし、いろんな人と共感できる営業も楽しいよ』といわれ、『いいですね』と返事してしまった」と笑う。

「この会社なら思いを受け止めてくれると思った」と麓さん。
左が有田代表 |
先を読んで相手を喜ばせる醍醐味
実際、仕事をしてみると、「その通りだった」と麓さん。同社の顧客の9割以上がホームセンターである。営業は地域制で、麓さんは中国・中央エリアを受け持つ。各店舗への納品が、営業の機会でもある。園芸コーナーの担当者に、「こんな花がありますよ」と紹介したり、管理方法や適切な販売期間をアドバイスしたりしながら、次の注文をもらう。また、会社で市場仕入れも任されているため、新品種や流行などを把握し、取引先に情報提供するのも麓さんの仕事の一つ。市場で花を見ながら、「これは、あの店の◯○さんに持っていってみよう」と、店舗担当者の顔を思い浮かべることも。さらに、店頭で堆肥や資材の売れ具合をチェックし、「お客さんは今、畑の準備をしている。今週末は苗が動くはず」と先を読み、いつもより多めの発注を促すこともある。逆に、天気が崩れそうな時には、注文を控えるよう提案する。「読みが的中し、担当者に喜んでもらえた時はうれしいですね」と麓さん。「でも、もっとうれしいのは、卸した商品を再発注された時。つまり、お客さんに長く喜んでもらえているということですから」と、ブームとしてではなく、「継続した喜び」を作ることが求められると顔をほころばせる。

フランクに見えるホームセンター担当者との会話にも、営業のセンスが光る |
素直に受け止め、
きちんと表現する
有田園芸農場では、毎年数名ずつ新入社員を採用している。求める人材について有田代表は、「やる気は言葉・態度で表現すること」「プラス思考であること」をあげる。麓さんに関しては、「素直に人の話を聞き、なんでも自分の糧にするプラス思考。思っていることを伝える言葉と態度も備えている」と評価する。
今後の目標と会社については、「どこにでも通用する企画書をつくってみたい。入ったばかりでも、やりたいことをどんどん発言でき、やらせてもらえるのがこの会社の魅力」との答えが返ってきた。 |