|
次世代へのバトンを手に
有機農業の道 ひた走る
高知県土佐町 土佐自然塾
塾長 山下 一穂さん |
 |
|

山下さん(左)と妻のみどりさん、愛犬のコンモ |
有機農業を始めて9年。「有機のがっこう 土佐自然塾」で塾長を務める山下一穂さん(57歳)は「農業に競争心は必要ない」と語る。
「農業は継続性が大事。それぞれが自分に合ったモチベーションを見つけて、長く続けていくことが大切なんです」
向き合うべき相手は自分。「答えは、畑のなかにある」という。
試行錯誤の末に見つけた「答え」
かつてプロのドラマーとして活動していた山下さん。体調を崩したことを機に故郷の高知へ戻り、学習塾を始めた。当時、学校は荒れる時代。塾でも抱える問題は同じだった。生徒を抑えるため「怖い教師」を演じる日々。生徒たちからは慕われたが、本意でない立場を続けることの違和感は消えない。体調不良は続き、神経性の不眠を患うようになる。さまざまな健康法を試した末、たどり着いたのが有機農業だった。
亡くなった祖母の家屋と畑を引き継いだことをきっかけに、家庭菜園から始め、やがて農業経営を決意。妻のみどりさんの協力のもと「山下農園」を立ち上げた。
もともと釣りや狩猟が趣味で、自然のなかに身を置くのが好きなこともあり「ようやく自分が安心できる生き方を見つけたと思った」。
連日、本を読んでは実践し、畑へ出て土に触れ、独学で研究を重ねた。重視したのは、土づくりだ。
「土づくりがきちんとできれば、病害虫も防げる」
有機農業でつくった作物は虫食いだらけ─そんなイメージを覆す、見た目のきれいな有機農作物にこだわった。
はじめのうちは疲労も大きく、夏場の農作業は過酷を極めたが「好きなことをしてるから楽しくてしょうがない。肉体的な疲労は休めば治る」。
長年感じていた体調不良もいつしかなくなっていた。

土佐自然塾の外観。建物は、かつての大工養成学校を改装して使用 |
有機のがっこう 塾長に就任
山下農園を「いかに消費者から信頼してもらうかがハードルだった」と当時を振り返る。信頼を得る近道として「徹底的な情報公開」に臨んだ。メールマガジンなどをとおして、畑の様子からプライベートなことまで包み隠さずにさらけ出した。
「情報をどんどん出していくと、今度は逆に情報が入ってくるようになった」
畑を見学に来る消費者も増え、そのなかから農作業を手伝う人まで出てくるようになった。
こうした山下さんの取り組みは広く知れ渡り、2006年には県とNPOの協働事業で開校した「土佐自然塾」に塾長として招かれた。以来、自らの農園経営の傍ら、技術指導などにあたっている。

山下さんが経営する「山下農園」のネギ畑 |
塾生たちには毎年4月から1年間、朝から晩までみっちりと農作業漬けの生活を送らせる。全国各地から集まった現在の2期生は26歳から68歳までの男女11人。なかには1歳の子連れで参加している女性もいる。
「ほとんどの塾生が、卒業後は高知県内で就農したいという希望をもってくれている。新しい人を受け入れる体制もやっと整い始めたところです」
「有機農業の宣伝広報も塾長の仕事のうち」と語る山下さん。有機農業の実践者として講演に呼ばれることもしばしばで、一カ月の半分は全国を飛び回る。これまで技術的に体系化されていなかった有機農業には、まだまだ誤解も多いとして、さまざまな機会を得ては積極的に持論を展開する。
「有機農業が広まることが、長いスパンで生物資源の回復につながる。これを次の世代へつなぎたい。日本の農業をよみがえらせることがライフワークです」
|
有機のがっこう 土佐自然塾
高知県土佐郡土佐町土居630番地
TEL:0887(82)1700
FAX:0887(82)1701
E-mail:info@tosa-yuki.com |
| 【No.9(2008年春号)掲載】 |
|
 |
 |
| |
 |
 |
| IJUガイド |
 |
 |
|
|
|
 |
|
ジャンル別情報一覧 |
 |
 |
|
|
 |
|
 |
|
 |
|
 |
|
|
 |
|
|
 |
|
|
 |
|
 |
|
 |
| ポリシー | iju infoについて |
| 個人情報対応 | メディア情報 |
| トップページへ |
|
| |
| ■PDFファイルについて |
| このサイトでは、PDFファイルを使用しております。PDFファイルを表示するにはアドビシステムズ社のアドビリーダーが必要です。アドビリーダーはアドビシステムズ社より無償で提供されています。下のアイコンをクリックすると、ダウンロードすることができます。 |
 |
|
 |