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シクラメンを任されている平藤さん。「1年かけて丹誠を込めてつくった花々は愛おしいですね」 |
(有)アグリ元気岡山が経営する「吉備路農園」は、岡山にある「農マル園芸」グループの第二農園として2004年に開園。約4ヘクタールの園芸観光農園のなかに、花の生産直売所、いちご園、農産物直売所やフルーツカフェなどを展開。さらに、屋台村や迷路庭園などを併設した、県下最大級のフラワーパークになっている。
同グループを束ねる小川博巳代表取締役(44歳)は、大学の経済学部を卒業後、20代をサラリーマンで過ごし、30代で両親のもつ農園を受け継ぎ、98年に法人化。農業のノーマライゼーション(一般化)を社名の由来とし、第6次産業の先駆けとして県内の農業をリードしてきた。
「数年前の花ブームで、小売りの売上高が飛躍的に伸びた。生産から販売までを各人にトータルで任せ、直販方式で流通費用をカットし、売上増を実現した」
組織農業をモットーに、部門間の人事異動を積極的に行い、社員個々のマネジメント能力、人材教育や販売のノウハウなどを高めてきた。
「ただの作業員でない、エキスパート社員がほしい。生産だけ、販売だけできても仕方ない。すべて一貫してできるようになれば、2〜3年で主任格になれる」

07年夏に入社した新人の山崎亜樹さん。初めてできた後輩に、主任として「厳しくも温かい目で見守っています」と平藤さん |
入社3年目にして主任に
吉備路農園の生販部で主任を務める平藤裕哉さん(28歳)。岩手の非農家出身で、島根大の生物資源科学部卒。群馬のホームセンターに2年務めた後、妻・美江さんの実家に近い同社に就職した。
入社年はちょうど吉備路農園立ち上げの年で、施設づくりが初仕事だった。場長に付いて手伝ううちに、生産のことを一とおり覚えた。オープン後は、販売部長に付いて、接客や販売方法を教わった。生産と販売を、バランスよく覚える機会に恵まれたことは運がよかったといえる。無我夢中でやってきた結果、同期10人のなかで一番早く主任になった。
「作業の割り振り、水や肥料の量など、全部自分で判断することにプレッシャーはあるが、やりがいもある」
そして昨夏から、新たに新人を任された。ところが、後輩たちは自分と同じように動いてくれない。どうすればと思案した時、自分が主任になって意識が変わったことを思い出した。それで彼らに担当をもたせ、責任分配してみたら、格段にモチベーションが上がった。

屋外ではパンジーの苗も販売している。「自分で育てたポットが売れるとうれしいですね」 |
人も植物も「気付く」ことが大切
そんな後輩たちになにを求めるかというと、いろんな意味で「気付く人」になることだと平藤さんはいう。「気が付いたことを率直にいってくれる人がほしい。ただ、いうには他人をよく見ていないと無理」と話す。そして、それは生産分野でも同様だ。「生き物を扱うのだから、よく観察できる人でないとだめ。植物の変化に気付けなければ、対処もできないから」という。
昨秋に一児のパパになった平藤さん。自分が丹精して育てているシクラメンの「葉組」という作業の名前をとって、娘に「育実」と名付けたという。「愛情を注いで応えてくれるのは、人間も植物も一緒。だから、いつも気を付けて見守っていきたい」という顔が頼もしく見えた。 |