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充実した支援体制によるスムーズ就農
岡山県高梁市 榮農王国山光園
【問い合わせ】高梁市備中地域局産業建設課 〒716-0396 岡山県高梁市備中町布賀29-2
電話:0866(45)4514  FAX:0866(45)9912 URL:http://www.city.takahashi.okayama.jp/

ピオーネの剪定作業をする林さん
体験研修+実務研修→就農
  「榮農王国山光園」は、高梁市備中町西山にある新規就農者のための営農施設。6.12haのトマト園と、3.14haのピオーネ(ブドウ)園が広がり、住宅12棟が並ぶ農業団地だ。山林・原野を開拓し、備中町(現・高梁市)が整備。2005年から入植がスタートし、現在、10組の家族が、トマト、ピオーネの栽培に励んでいる。
  山光園では、トマトまたはピオーネによる農業経営が前提だ。募集対象は、既婚者で、夫婦の合計年齢が就農時に100歳以下(主たる農業従事者が55歳以下)であることが原則。1カ月の農家での体験研修を経て、2年間の実務研修を行い、3年目に本格就農という流れが基本である。入口となる体験研修を受けるには、地元受け入れ農家も参加して行う1泊2日の面接(夫婦同伴)に合格しなくてはならない。

「先輩トマト農家を追い越したい」と抱負を語る山川さん。後ろに見えるのは山川さんのトマトハウス(39a)

パートナーの意志が鍵
  「面接では、妻の態度や考え方を重視する。農業は一人ではやっていけない。本人(夫)の思いもさることながら、連れ合いの協力を得られるかが、かなりのポイントを占める」と、旧備中町時代からの担当であり、高梁市備中地域局産業建設課の丹正鎮夫さんは話す。体験研修後、本人の意志を再確認した上で、実務研修に入る。
  この体験研修及び実務研修のシステムは、岡山県の「新規就農研修事業」と連動している。山光園で就農を希望する場合はまず、県が開催する就農オリエンテーションに参加。その後、高梁市に農業体験研修の申し込みを行い、備中地域局での面接を受けることになる。面接試験に合格すると、希望する作目の先進農家にホームステイして体験研修。この段階で、「なんとかやっていけそう」と感触をつかめば、2年間の農業実務研修に入る。このプロセスを踏むことにより、実務研修の期間中、月額15万円が支給されるという大きなメリットがあるのだ。
  また、高梁市独自の支援として、新規参入で、将来にわたり専業として農業経営を続けていく意志のある人には、100万円の就農奨励金が支払われる(ただし、申請年度に本人が55歳以下であることが条件)。
  山光園での就農(実務研修を含む)に際しては、営農保証金200万円を預託する。「本気のやる気の証」(丹正さん)だ。かつ、当面の営農・生活資金として最低500万円の可処分資産の準備が求められる。保証金は、営農期間10年後に全額返却される。しかし、実務研修中から生産物を農協に出荷・販売できる制度があり、研修生への実践的かつ金銭的な配慮はある。


山光園では床面積約58m2の住宅が賃貸できる

本気で就農するなら資金的準備は必須
  ところで、都合700万円の準備金は、かなり高いハードルに思われるかもしれない。しかし、「現実には、1000万円くらいないと厳しい」と話すのは、2004年に山光園に入植した山川俊治さん(37歳、神奈川出身)だ。「ここは農地も家も技術も、すべてお膳立てされている。それでも、お金は次々に出ていく。新規就農するには資金的な準備は欠かせない」と強調する。山川さんより1年早く入植した林輝さん(28歳、岡山市出身)も、「2年間、月15万円の支援金は大きかった。結果的に故郷に戻った形だが、もしこの制度がなければ、よそに行っていたかも」と話す。それぞれトマト、ピオーネで経営を確立させつつある2人。「地域とのつながりを大切にすること。結局それが自分の経営に返ってくる」(林さん)、「体力含め、思うより楽じゃない。相当な覚悟が必要」(山川さん)とアドバイスする。
  高梁市備中地域局では今年、高齢層をターゲットとした「田舎暮らし・交流事業」もスタートする。

【榮農王国山光園の就農条件・支援】
対象▼原則既婚者(夫婦の合計年齢が就農時に100歳以下。主たる農業従事者が55歳以下)。独身者の場合は、就農時に満年齢が50歳以下で家族労働力のある人、当面の営農・生活費500万円、営農保証金200万円が必要。新規参入の場合は県の体験研修、実務研修を修了することが条件
支援策▼農地賃借料の減免(10a当たり年額2万円。就農後1年間は全額免除、2〜3年間は半額)、住宅支援(賃貸の場合、月額25000円。入植から3年間は半額助成)。
全市共通▼実務研修中(2年間)は月15万円を支給するほか、就農時(3年目)に就農奨励金100万円を支給

【高梁市備中田舎暮らし・農業体験事業】
内容▼農業・農村に興味を持っている都市住民等を対象に農業や田舎暮らしを体験し、地域住民との交流を図る
受入地域▼高梁市備中町平川地内
募集条件▼地域の特産物であるトマトまたはピオーネの栽培に興味があり、将来的に当該地域に定住し農業を営む意欲のある人
年齢制限▼原則既婚者で、主たる農業従事者の年齢が60歳以下
自己資金▼当面の営農・生活資金を有すること
支援▼農地・施設・設備等を「園地・施設バンク」より斡旋。気軽に参加できる「お試し期間」を設定し、地域・本人の判断をサポートする

【No.10(2008年初夏号)掲載】
 
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