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栗駒地域は多くの渡り鳥が越冬する地として有名なんですよ。小さな池が点在する地形と関係しているんでしょう。組合周辺にもそこらじゅうに白鳥がいます。豊かな水量は森にもいい。林業が栄えてきたのもその点に由来するんだと思います。
現在の栗駒高原森林組合は、2002年に10町村の合併に先行して新たに組織されました。大きな合併だったため、合併前から職員数が膨れ上がることと、売上の落ち込みが予測できました。
しかし職員のリストラはしたくありませんでした。では、どうしたら経営が成り立たつか。より積極的な経営策が求められました。
そこで「主業務の造林・林産事業のほかに土木的な事業も幅広く請け負う」という方針を立てたんです。

栗駒地域は小さな池が点在する |
その受け皿として組合100%出資による「有限会社栗駒高原開発センター」を設立。当初職員から一人引き抜いて専従とし、その下に専任チームを置きました。現在では、主に東北電力から依頼を受け、線下の危険木処理を行っています。
当然、組合本体も従来型の造林・林産にとどまっているわけにはいきません。さまざまな事業に着手しまして、そのうちの一つに、住宅街の危険木処理があります。
「居久根」という言葉をご存知ですか。屋敷を守るために植えられた防風林のことです。最近はそれが放置され、高く育ち過ぎた結果、むしろ危険な存在になってしまいました。林業のプロじゃないとできないこうした仕事も引き受けていきたいと考えています。

山林所有者別に作成された植林の分布図 |
06年からは、組合員以外の民有林の掘り起こしにも力を入れています。いわゆる「団地化」と呼ばれる事業で、国から補助金を受けられる最低単位として30ヘクタール以上の森林をグループ化し、まとめて管理をする試みです。
山林所有者であっても「山のことはわからない」という人が相手ですから「フォレストアドバイザー」という専任の職員を2人置き、説明やPRにあたっています。
フォレストアドバイザーの仕事は多岐にわたり、写真撮影や測量など山の状況調査に始まり、これらを書類にする作業も含まれます。通常なら2人では手に負えないでしょうが、県の推薦もあって、当組合では「森林情報システム」というITシステムを導入しました。
コンピュータにデータを入力すると、森林の施業計画が自動的に作成されるほか、いつどの時期にどこの森を伐採すればいいかなどが簡便に表示されます。システムの導入によって相当な業務の効率化を図ることができたと思いますね。

栗原市が試験的に行っている複層林 |
もちろん、コンピュータシステムを入れても、操作するのは「人」です。「人を大切に」という、合併当初からの変わらぬ方針は貫きたい。人材の確保・育成や組織の活性化も力を入れている点です。
例えば、作業班では以前、通年雇用をせず、仕事が少ない冬場は失業保険で生活していただいてました。しかし現在では間伐などの作業を発生させ、通年雇用を実現しています。
新人の雇用も、07年に「緑の雇用」で5人受け入れました。この数は県内でも多いほうです。65歳までの雇用延長も制度化。これも先進的なことと自負しています。
また、合併当初から「森林祭り」を開催して組織の活性化や、地域住民との交流を図っているんですよ。チェーンソーアートや木工教室、きのこの植菌体験など、参加型のイベントを盛り込んで結構盛大に行います。植菌したキノコの原木は抽選で参加者にお持ち帰りいただく。これは盛り上がりますね。
この実績を買われ、07年7月には、県林業労働力確保育成センターからの打診で全国森林組合連合会主催の「林業見学・交流ツアー」の受け入れも開始しました。今後はツアーを通じ、都市部からの人材確保や交流を図っていきたいですね。

体験やイベントなどを行う組合敷地内の森 |
合併して5年。あの手この手で新たな事業に挑戦してきました。しかし、まだまだできることがたくさんあると思っています。そういったことを、今後も皆の力を合わせて開拓していきたいですね。 |