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自然を相手にした仕事がしたい
国家公務員から林業の世界へ大転身
島根県川本町 小溝 一平さん(34歳)
林業歴:6か月
Profile:
【こみぞ いっぺい】鳥取県日吉津村出身。転職を考えていた時、知人から聞いた林業の話がきっかけとなり林業就業を目指した元航空自衛隊員。妻・里恵さん、長女・晟那ちゃん(5才)、長男・悠馬くん(4才)、次女・梨乃ちゃん(2才)の5人家族で川本町へ移住した。
島根県川本町 小溝 一平さん

知人の勧めがきっかけとなり
全く知らなかった林業の世界へ

 島根県の中央に位置し、中国地方一の河川「江の川」と山々に囲まれた自然豊かな川本町で林業の世界に飛び込んだ小溝一平さん。平成30年4月から邑智(おおち)郡森林組合に所属し、期待の若手として活躍している。
 19歳の時に航空自衛隊に入隊し、約15年間に渡り自衛隊員一筋の道を歩んできた。結婚して3人の子どもに恵まれるなど、忙しいながらも充実した生活を送っていたが、激務から体調を崩してしまう。療養のため休みをもらい、仕事や今後について考える時間が増えた小溝さんは、「自然を相手にした仕事がしたい」と考えるようになっていった。そんな折、知人から林業を勧められる。
 林業について全く知識のなかった小溝さんだが、いざ調べてみると、「面白そうだな」と興味を抱いたという。これまで一日中屋内で勤務し、働き方を変えたいと考えていた小溝さんにとって、自然に囲まれて働く林業はとても魅力的に映ったのだ。突然の林業挑戦は難しかったが、子どものために転勤のない職に就きたいという気持ちもあり、まずは情報収集を開始した。
 情報を集めていく中で、長野県で『林業就業支援講習』が行われると知り、部隊や家族に相談して参加を決意する。参加は4日間のコースで、初めて触れる林業の世界に大興奮だったという。
 「基礎知識の講習や安全衛生講習、就業・生活相談のほか、手ノコで木を切ったり、先生の厚意で触れたチェーンソーの迫力など、『これはすごいな!』と圧倒されました。自分で道具を揃え、天候や状況によって用意するものを考えたり、重機の操作も必要となるなど、さまざまな能力を発揮しなくてはならない仕事というところにやりがいを強く感じられました」と振り返る。
 「定年してからでもいいんじゃない?」と奥さんに言われたが、「自衛隊員としての将来や今後の生活を考えた上で林業へ挑戦を決断しました」と当時の想いを語る。
始めは刈刃の目立てなど、実際の現場ならではの苦労があったという。
↑↓始めは刈刃の目立てなど、実際の現場ならではの苦労があったという。班の雰囲気がすごくよく「本当に職場の人たちに恵まれまして、みんないい方々ですね」と仕事のしやすい環境とのことだ。
「本当に職場の人たちに恵まれまして、みんないい方々ですね」と仕事のしやすい環境とのことだ。

支援講習で林業を実際に体験
就業への気持ちが一層高まった

 小溝さんは、就業先に島根県を選んだ。長野県で受けた講習で鳥取県出身だと話した時、「島根県には大きな合板の工場があり林業が盛ん」と聞いたことと、幼稚園の保護者仲間が「島根県の邑南町は子育て支援が充実している」と話していたことを思い出し、地元に近い島根県を就業先候補に挙げたという。
 就業先と住居を探すにあたり、まずは(公社)島根県林業公社や(公財)ふるさと島根定住財団、邑智郡森林組合を訪ね、移住に関する情報を精力的に聞いて回った。
 「頂いたパンフレットに川本町の定住促進住宅の情報がありました。子どもが3人いるわが家の場合だとかなり安く新築に住めるということで、『これなら転職してもいいよ』と妻の快諾を得られ、『ここに決めよう!』と川本町への移住を決めました。」
 しかし、森林組合やハローワークに連絡をして手続きを進め、無事に内定をもらうなど移住へ向けて順調に進んでいた矢先、残念ながら定住促進住宅の抽選から漏れてしまった。仕事が決まっていたため、急きょ空き家バンクを活用して家探しを開始、幸い担当者の紹介で、手頃な価格で、しかも裏山付きの優良物件を紹介してもらうことができた。新居が決まった小溝さんは林業就業へ向けた準備を本格的にスタートさせ、東京で行われた『林業就業支援講習』の20日間コースに参加した。
 「チェーンソーと刈払機の免許取得、小型重機の運転などをさせてもらいました。指導員の方が丁寧に教えてくれたので、基礎知識をしっかりと習得できました。また、実際に造林地に行って、間伐の作業をするといった実践的な体験もでき、安全な作業の重要性を学ぶことができました。長時間チェーンソーに触れたり、地下足袋を履いて山に登るなど、林業を仕事にする≠アとのイメージを作ることができましたね。この講習での体験や学びによって、より一層林業就業への意欲も高まりました。とても貴重でありがたい経験になりました」と、林業就業支援講習での基礎知識習得と体験が林業就業へ向けた自信につながったと語る。
 「約半年間働き、最初は『こんなにきついのか!』と体力面で想像以上にしんどかったですね。今年の夏はとても暑かったですが、早出出勤のおかげで猛暑の中で仕事をするといったことはあまりありませんでした。また、残業がないので帰宅も早くなりました。以前は帰宅すると子どもたちは寝ていたのですが、今は一緒に過ごす時間が増えました。就寝時間も早くなり、健康的な生活を送っています。晩酌がめちゃくちゃおいしいんですよ。それも仕事のやりがいのひとつですね!」と笑顔で話す小溝さんにとって、林業の楽しさは増すばかりだ。
 自衛隊員から林業界へやりたいこと≠ノ挑戦した小溝さん。「まずは一年。安全に気を付けてやっていきたいです。家の裏山で木を育てて、それを薪にしたいですね」と力強く抱負を語ってくれた。
上司の声
川本町のお気に入り風景
 
【No34(2018年冬号)掲載】
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