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会社を辞めたとき、個人事業主になったとき知っておきたい税金知識
会社を辞めたら
〜確定申告をして税金を取り戻す

 年の途中で退職し、年内に再就職をしていない人の場合、確定申告を行うことで税金が返ってくる場合がある。なぜなら、そういった人の場合、給与から源泉徴収された税金が本来払うべき金額よりも多く取られていることがあるからだ。
 給与所得者の所得税は、給与や賞与を支払う者(事業主)が、給与等の支給を受ける人に代わり、支給金額に応じて所得税を計算し、国に納付する仕組みになっている。これが源泉徴収制度といわれるものだ。しかし、毎月の給与から天引きされている源泉所得税は、あくまで概算払いに過ぎない。そこで、年末調整を行うことによって所得控除等(扶養や保険料など)が考慮され、税金が返ってくる。
 退職金を受けとった場合にも同様に還付の可能性がある。ただし、退職手当等の支払いの際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人の場合は、原則として確定申告の必要はない。退職手当等の支払者が所得税を計算し、その手当等の支払いの際、所得税の源泉徴収を行うためだ。
 また、年内に事業を開始した人の場合には給与所得と退職後に始めた事業の所得を合算して確定申告を行うことになる。事業が軌道に乗らず、赤字が出ている場合は、事業所得の赤字分を給与・退職所得等の金額と損益通算することができ、赤字の分だけ課税対象となる給与・退職所得等の金額が減少するため、税金が還付される可能性が大きくなる。
 申告時には「給与所得の源泉徴収票」が必要となるので、勤務先からもらっておこう。退職金を受け取った場合には、「退職所得の源泉徴収票」が必要になる。
会社員を辞めて、個人事業主になったら
〜それぞれの税金の仕組み〜

 給与所得者から事業所得者となった場合、税金の仕組みは一転する。

▼給与所得者
 会社員(給与所得者)の所得税は、給与所得の金額に税率をかけて計算される。給与所得とは、勤務先から受ける給料、賞与などの所得をいい、収入金額(源泉徴収される前の金額)−給与所得控除額の算式で求められる。会社員の場合、その税金の納め方は源泉徴収制度によるので、一般的には勤務先で行われる源泉所得税の精算、いわゆる年末調整によって確定申告を行う必要がなくなる(給与の年間収入が2千万円を超える人など、年末調整の対象とならない人を除く)。

▼事業所得者
 会社員を辞めて、個人で農業経営を始めたとなると、これまでのように税金の支払い、精算は会社任せというわけにはいかなくなる。個人事業者になると所得税、住民税に加え、場合によっては消費税を自ら申告(確定申告)して納税をしなければならなくなる。
 農業者・漁業者などのように、事業を営んでいる人(個人事業主)の事業から生ずる所得を事業所得という。事業所得の金額は、総収入金額(事業から生ずる売上金額等)−必要経費の算式で求められ、確定申告によって納める税金を計算する。必要経費とすることができるものは、事業収入を得るために必要なもので、仕入にかかった費用、給与・賃金、地代・家賃、水道光熱費、修繕費、保険料などが挙げられる。
 これに対して給与所得を計算する際には、事業所得のように必要経費を差し引くことはできないが、それに見合うものとして、一定の給与所得控除額というものが設けられており、これを給与等の収入金額から差し引くことができる。
 このようにして求めた事業所得から、各種所得控除を差引き、税率を掛け、納めるべき税金を計算していくことになる。
給与所得者 個人事業主
所得税 所得税 事業税
源泉徴収制度…給与等にかかる税金は、毎月給与を受けとるごとに天引きされる。所得が給与所得のみの、一般の会社員の場合には、その年の最後の給与の際に、年末調整を行うことによって扶養控除を始めとする所得控除が加味され、正しい税額が計算されることとなる 申告納税制度…農業などの事業者は、自分で所得を計算し、申告書を提出(確定申告)して納税する。1月1日から12月31日までの1年分の所得金額をもとに税金を計算し、翌年2月16日から3月日までに申告・納 15税を行う 税務署に申告書を提出していれば、その前年分の事業所得をもとに計算されるため、申告の必要はない。その税率は業種により異なり、所得が290万円以下であれば免税となる。納付は8月と11 月の年2回
住民税 住民税 消費税
前年の所得をもとに課税され、翌年6月から納付を行う。会社員の場合、基本的には毎月の給与から天引きされる 税務署に申告書を提出していれば、その前年の確定申告書をもとに計算され、納付書が送られてくるので、申告の必要はない。納付は6月から、年4回に分けて行う 前々年の課税売上高が1,000万円を超える場合には消費税の納税義務者となる。また、免税事業者であっても、申告を行うことにより還付を受けられる場合がある
個人事業主と税金
〜青色申告・白色申告〜

i青色申告と白色申告
 個人事業主になると、各種税金は自分で計算して確定申告する。その申告方法に、「青色申告」と「白色申告」とがある。個人事業主の確定申告は、「事業所得」となり、収支を確定した決算書を添付書類として提出する。青色申告と白色申告とでは、記帳の方法や特典等に違いがあり、どちらの方式にするかは選択しなければならない。
 最高65万円の青色申告特別控除、赤字が翌期以降に繰越しできること、その他数々の特典を考えれば青色申告に断然にメリットがある。以下で、青色申告の特典についてその主要なものを解説しよう。

[1]青色申告特別控除
 不動産所得または事業(農業)所得を生ずるべき事業を営む青色申告者(現金主義の規定の適用を選択している者を除く)で、当該所得の取り引きを正規の簿記(一般的には複式簿記)によって記帳し、確定申告書に貸借対照表・損益計算書を添付する場合には、65万円を控除することができる。それ以外の青色申告者については、不動産所得・事業(農業)所得・山林所得のいずれかの所得の金額から10万円を控除することが認められている。

[2]青色事業専従者給与の必要経費算入
 生計を一にする配偶者その他の親族に支払う給料などは、原則として必要経費に算入されない。しかし、あらかじめ税務署に届出書を提出し、専ら事業に従事することについて一定の要件を満たす場合には、届出書に記載されている金額の範囲内(ただし、その労務の対価として相当と認められる金額の範囲内)において必要経費として事業の収入から差し引くことができる。専ら事業に従事する専従者の給与について白色申告では、一定の要件を満たす場合に1人につき最高50万円(配偶者の場合には最高86万円)というように、専従者控除として必要経費とされる金額に限度があるが、青色申告の場合には、基本的には支払った金額を必要経費とすることができる。

 このように、きちんと帳簿を付け、書類を保存することで、さまざまな税制上のメリットが受けられる。しかし、仕訳とか貸方・借方とかいわれてもなかなかピンこないような、簿記の知識や経理業務の経験がない人にとって、青色申告で65万円控除を受ける際の最大の難関は、正規の簿記(複式簿記)で経理帳簿を付けることといえるだろう。

ii青色申告各種届出
[1]青色申告承認申請書
○青色申告承認申請書の提出
 青色申告を行って、その特典を受けるには、所轄の税務署に対して「青色申告承認申請書」を提出し、それが認められることが必要だ。
 この申請手続きは、青色申告を始める最初の年にだけ行えばよいことになっている。一度青色申告の承認を受けてしまえば、途中で取りやめ等をしない限り、翌年以降も継続して青色申告者となる。

○申請書の提出期限
 青色申告承認申請書は、所轄の税務署長に対して青色申告を始めようとする年の3月15日までに提出する必要がある。ただし、新規に事業を始めた場合の提出期限は次のようになる。
新規に事業を始めたとき
・1月15日以前に開業したとき…3月15日まで
・1月16日以後に開業したとき…開業の日から2ヶ月以内
白色申告から青色に切り替える場合
・青色申告にする年の3月15日まで

[2]青色事業専従者給与に関する届出書
 この届出書を提出しないと、専従者に給与を支給しても必要経費とは認められない。またその場合、同時に「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する必要がある。

[3]源泉徴収の納期の特例の承認申請書
・源泉徴収制度
 これまで会社員だった人は源泉徴収される側だったが、個人事業主となり、専従者等に給与を支払う場合には、今度は源泉徴収する側になる。
 源泉徴収の時期は、給与や賞与を実際に支払うとき(給与は毎月、賞与はそれを支払う一定の時期)になる。原則として源泉徴収した所得税額は、給与を支給した翌月の10日までに国に納付することになっている。

・納期の特例制度
 給与などの支給を受ける人数が常時10人未満の源泉徴収義務者については、半年分ずつ年2回(1.6月分:7月10日まで、7.12月分:1月10日まで)にまとめて納付できる制度が設けられている。これを「納期の特例制度」という。この制度の適用を受けるためには、所轄の税務署長に対して「源泉所得税の納期の特例の承認申請書」を提出して承認を受けなければならない。

iii保存すべき帳簿書類
 青色申告者には、その年の業務を行うことに関して作成した帳簿および決算に際し、作成した棚卸表、その他の書類、受領した請求書・納品書・領収書、その他これらに類する書類(自己作成した書類の写しも含む)の保存が義務付けられている。保存期間は、帳簿および決算、現金預金等関係の書類は7年、その他の書類については5年とされている。

(税理士 清田幸弘)



青色申告 白色申告
記帳・記録保存義務 65万円の控除を受けようとする人は、正規の簿記(複式簿記 ※)による帳簿の記帳・記録保存義務がある 白色申告者には書類等の保存義務はあるが、基本的に記帳義務はない。ただし、前年分又は前々年分のいずれかの年分の事業(農業)所得等の合計額が300万円を超える人には、簡易な記帳と記録を一定期間保存する義務が課せられている
決算書の作成 「損益計算書」「貸借対照表」 「収支内訳書」
特典 [1]青色申告特別控除
[2]青色事業専従者給与の必要経費算入
[3]貸倒引当金の必要経費算入
[4]減価償却費の特例
[5]純損失の繰越控除または繰戻しによる還付
[6]現金主義による所得計算の特例
※複式簿記とは…すべての取引を借方・貸方に分けて記入し、各口座ごとに集計し転記する方式のこと
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