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東京での生活を捨て、新規就農!
移住で叶えたかった「地域貢献」の夢

岩手県一関市 千葉 健司さん
農業歴:1年

【ちば けんじ】東京都出身。移住するまでは、30年以上東京都内で生活。現在は岩手県一関市でピーマンを栽培する。

岩手県一関市 千葉 健司さん

就農フェアや体験会に何度も参加
事前に情報を集めてギャップを解消

「東京を離れて農業をすると言ったら、周りはとても驚いていましたね」と振り返って語るのは、東京都から岩手県一関市に移住し、独立就農を果たした千葉健司さん。千葉さんは東京で生まれ、以来30年以上ずっと都内で生活。前職はビール会社に勤務するなど、農業とは全くの無縁だった。移住を考え始めたきっかけは、30代に入った頃、一関市に居住していた祖父が亡くなったことだった。
「祖父が亡くなって、空き家ができたんです。ただ、自分はほとんど一関に行ったことはなかったし、知り合いもいない。農業をやろうと考えても、自分には知識も経験もない。ただ、『今とは違う暮らしはどうなんだろう』と想像して、少しずつ情報を集め始めました。」
そこから千葉さんは移住についての下調べを開始。都内で開かれる就農フェアや一関市が主催する農業体験会などに参加した。一関市はイベントが豊富で、体験会では先輩農家の人たちと話せる機会も多くあった。そうした中で、初期費用はいくら必要なのか、一関の生活に馴染めるのか、など気になる点を確かめた後、移住を決意した。
移住を決めた千葉さんに対して、周囲からは心配の声も多かったという。
「『定年してからではだめなのか?』とか、色々言われました。ただ、やるからにはとことんやりたかったし、若ければ失敗しても何とかなるかなと。そして何より、一関に数度出向いて先輩農家の人たちなどと接していくうちに、自分も“この場所”で農業をしたいと思うようになりました。歴史ある一関の農業を受け継いで地域に貢献していくことに、大きな意義を感じたんです。移住先を知るために事前に時間を割いたおかげで、今のところは生活にギャップをあまり感じていないですね。」

千葉さんが管理するハウス。

↑千葉さんが管理するハウス。

周囲とのコミュニケーションを大切に
心に抱く大きな目標

移住を決めた千葉さんだったが、就農の準備から現在に至るまで、周囲の人たちにとても支えられたという。栽培を行っているハウスは、就農前の農業体験会で出会った先輩農家の方が紹介してくれた。分からないことばかりの農作業だが、悩んだ時には周囲に相談できる環境がある。
「設備や機械にどうお金を使えばよいのか、効率良く作業を進めるにはどうしたら良いのか、まだまだ分からないことばかりです。そんな時は、初心者の特権と考えて、周囲の人たちに積極的に話を聞きに行っています。ピーマン部会の名簿があるので、先輩に電話をしてみたり。先輩方が丁寧に受け入れてくださる環境が本当にありがたいです。一関の方々に本当に助けられていると日々感じます。」
移住を決め、無事に独立就農を果たした千葉さん。今後の目標は一関市への地域貢献だ。
「実際に住んでみて、一関市の自然の素晴らしさを再確認しています。虫はまだ苦手なんですけどね(笑)。作業の帰り道に見る、夕陽に照らされる北上川の景色なんか最高ですよ。北上川では水上バイクもできるし、石蔵山は運が良ければ雲海が望める。祖父の空き家には今は住んでいないですが、リフォームして近いうちに農家民宿を始めようと計画しているんです。県外の人が自然に触れる機会を作り、希望者には農業も体験してもらう。それで一関の自然を好きになってくれる人や就農者が増えたら最高です。まだ移住したばかりですが、歴史あるこの町の自然を受け継いでいけたらいいなと思っています。」
移住という道を選び、30代にして新たなスタートを踏み出した千葉さん。慣れない作業にも日々楽しみを感じながら、「地域貢献」という大きな目標に向かって、今日も汗を流している。

空き家。リフォームをして農家民宿とするのが目標。

↑空き家。リフォームをして農家民宿とするのが目標。

支援者の声

一関市のお気に入り風景