栃木県佐野市 兵藤さん 増田さん
兵藤 信吾さん（32歳）林業歴：６か月
増田 雄太さん（22歳）林業歴：１か月
- 兵藤 信吾【ひょうどう しんご】
山形県山形市出身。東京都の消防士から転職・移住。奥さんと娘２人の家族４人暮らし。
増田 雄太【ますだ ゆうた】
東京都八王子市出身。北海道の大学を卒業後、新卒で（有）小平建設へＪターン就職を果たした。
林業就業を目指す若者二人が
自然豊かな佐野市へ移住
栃木県佐野市は関東平野の北端、栃木県南西部に位置し、北部から北東部、北西部にかけて緑豊かな森林や美しい渓流など、自然環境に恵まれた土地で林業が盛んな地域だ。そんな佐野市にある有限会社小平建設で今年から新人林業者として現場で汗を流しているのが、兵藤信吾さんと増田雄太さんである。
兵藤さんは山形県山形市で育ち、東京都で消防士として勤務していたが、佐野市に住む義両親から「いずれは佐野へ来てほしい」と強く希望されていたことや、長女の幼稚園入園など、さまざまなタイミングが重なり心機一転、佐野市へ移住することを決める。移住の準備と同時に転職活動も行っていく中、以前から『自然に関わる仕事がしたい』『自分の技術を磨いて収入にしたい』という想いがあった兵藤さんは、次第に林業の魅力に心を惹かれ、林業就業を志した。
東京都八王子市出身の増田雄太さんは北海道の大学を卒業後、新卒として小平建設に就職。中学生の頃から第一次産業に憧れを抱き、ぼんやりとながらも林業という仕事に興味を持っていた。そんな増田さんが林業就業を志す決め手となったのは、高校生の時に見た林業をテーマにした映画『WOODJOB！（ウッジョブ）』であると話す。この映画に触発され「厳しい世界だけど楽しそうだな」と、林業就業を決意したという。
林業者として１年目
先輩に学びながら修行の毎日
転職活動を進め、小平建設の内定が決まった兵藤さんは、仕事が始まるまでの期間に栃木県で『林業就業支援講習』が開催されることを知り、勉強のため講習に参加する。一方、増田さんは就職活動をする中、趣味の写真撮影や自然観察、釣りなどで栃木県によく訪れていたこともあり、土地に馴染みのある栃木県の林業の求人を調べていたところ、同講習の開催を知り、参加を申し込んだ。
講習では林業の基礎知識や安全衛生講習を始め、チェーンソーや刈払機の取り扱いといった実地講習など林業について学んだ。兵藤さんは「講習で学んだ基礎が今やっている作業で活きています。仕事が始まる前に基礎知識などを学べたのは非常に良かったです」と振り返る。増田さんは「想像よりもチェーンソーが重くてびっくりしました。これを持って一日中仕事ができるのだろうか？と思いました（笑）」と、講習でチェーンソーに触れられるなど貴重な経験ができた。また講習に参加して良かった点として“人とのつながりが築けたこと”を挙げる。
「職場は違えど、これから一緒に林業の世界で頑張っていく仲間とのつながりが作れたのも良かったです」（兵藤さん）。
「林業を志している人がこんなにいるんだな！と励みになりました。仲間に出会えて良かったです」（増田さん）。
兵藤さん増田さんともに現場に出て一番苦労したのは、チェーンソーの刃を研ぐ『目立て』の難しさだと口を揃える。
兵藤さんは昼休みに重機の練習を毎日行っているという。
『チェーンソーマン』に憧れ、日々技術を磨く増田さん。
特に増田さんは講習参加が小平建設への就職につながるなど、講習に参加した効果は大きい。増田さんは林業でも特にチェーンソー伐採へのこだわりを持ち、かつ植林・保育・伐採の森林サイクルを一年通じて行っている会社への就職を希望していた。講習受講時に兵藤さんから「小平建設が条件に合うのでは？」と紹介されたのがきっかけで就職に至ったという。
林業者としてまだ一年経っていない二人だが、林業という仕事に“やりがい”を強く感じ、どんどん仕事を覚えるのが楽しいと笑顔で話す。
「レベルの高い仕事を覚え、いずれ来る後輩に自信を持って教えられるようになりたいです」と兵藤さん。
「１年間で目立てと玉切り、伐倒といったチェーンソーの技術がどれだけ上達できるかが目標です」と増田さん。
新人であるものの、現場では戦力としてしっかりと活躍してくれていると、先輩からの評価と期待は非常に高い。林業への熱い想いを原動力に日々切磋琢磨し合い、共に成長している。
「仕事は楽しく、やる時はやって、抜くところは抜いて、みんな和気あいあいと仲良く仕事しています」と小平建設のみなさん。
