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林業を知ってすぐに行動
体験で感じた魅力に就業を確信

千葉県君津市 櫻田 亮さん
林業歴:3年

【さくらだ りょう】神奈川県横須賀市出身。地元で育ち、就職していたが、山の仕事について調べるうちに林業への就業意欲が増し、開催時期が近いという理由で千葉県で開催された林業就業支援講習を受講。平成26年6月に千葉県森林組合に就職し、現在は「緑の雇用」の林業作業士3年目。

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林業のかっこよさに惹かれ就業
現在は学ぶことの面白さを追求

遡ること3年前、倒れる木の圧倒的な存在感と空気を震わせる地響きの迫力を体感した櫻田さんは「かっこいい。自分もこういうことをやりたいと感じました」と、初めて林業を体験した林業就業支援講習(参照)を振り返る。
自動販売機の商品補充を仕事としていた櫻田さんだったが、登山を趣味としていたこともあり、いつからか山で働く仕事に関心を持ち始めていた。林業に関する知識は全くなかったが、インターネットで検索するうちに林業就業支援講習の存在を知り、千葉県で開催された平成26年1月の講習に参加。その縁により、横須賀市から千葉県君津市へ移住し、千葉県森林組合に就職することとなった。
「支援講習では教わること全てが新しい体験だったので、驚きながら楽しんでいました。講習期間中には、林業で働きたいという気持ちは固まっていましたね」。
取材時には職場の先輩も同席していたにも関わらず、事務所がある君津市への移住について「特に地域的な思い入れがあったわけではありません」と語る櫻田さん。あっけらかんとした物言いだが、現在の充実した生活については満足している様子だ。
「20代の頃から、少し田舎寄りの土地で生活したいという気持ちを持っていました。ここでは地元では見なくなった田んぼの風景があり、職場もいい人ばかりなので毎日楽しく暮らしています」。
取材時には、2~3人で構成される3つのチームが現場に入り、それぞれの担当場所で作業に取り掛かっていた。仕事中は厳しさを持って真剣に取り組む一方、休憩中には冗談を言い合う明るい職場である。こうした環境で3年が経ち、自然を相手とする仕事特有の、暑さや寒さ、虫との戦いなども経験したが「辞めたいという気持ちは全くない」と断言する櫻田さんだ。

先輩作業員と相談

伐倒する方向について、先輩作業員と相談する櫻田さん(左)。

就業後も続く育成支援
スキルアップと環境貢献を誓う

櫻田さんは千葉県森林組合に採用されると同時に林業就業者の育成支援事業である「緑の雇用」(詳細)の研修生となった。研修生は、林業の担い手として機器の実践的な使用方法を学び、林業現場における戦力となれるよう長期的な視点で育てられていくこととなる。
「木を切る作業にしても最初の2~3ヵ月は先輩と一緒に作業してましたが、それ以降は一人でやるようになりました。どんどん新しいことを学んでスキルを磨いていきたいです。特に機械に乗って操作したいという気持ちは強いですね」。

大きな木が倒れていく瞬間

大きな木が倒れていく瞬間。「ドーン!」という地響きは迫力の一言。

櫻田さんは現在、「緑の雇用」における林業作業士3年目として林業用大型機械の操作方法を学ぶなど、基礎の次を目指す段階にある。取材時の現場では事前に切り倒した木を林道沿いに集積する作業を行っており、その中で櫻田さんは木を機械で引っ張るためのロープの管理や、チェーンソーで木の長さを切りそろえる作業などを行っていた。大型の機械を操作していたのは熟練した先輩作業員であり、作業効率や安全優先のため櫻田さんがこの機械を操作できるチャンスが頻繁にあるわけではないが、緑の雇用を通じた新たなスキルの習得に意欲を持って取り組んでいる。
林業とは木材を生産する産業であると同時に地域の環境保全を担うという側面も併せ持つ。健全な森林は動植物を育て、山崩れを防止する。そして、豊かな山に降った雨は栄養を川に運び、魚介類の生育にも影響を与える。

チェーンソー

木を切り倒した後は、運搬しやすいようチェーンソーで枝葉を落としていく。

「自然環境が、自分たちの手によって継続しているんだなという意識はすごくあります。間伐で切る木を選ぶ際にも、どれを残せばうまく成長していくかを考えるようになりました。林業を3年経験して、見え方も変わってきたと思います」。
今春からは後輩が入り、教える機会ができたことで自身の復習にもなっているという櫻田さん。飽くなき向上心で、巡り合えた林業という天職の醍醐味を味わう日々である。

ザウルスロボ

ザウルスロボと呼ばれる林業機械で集材。

木村正敏さん

インタビュー