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地域に根差した JAならではの新規就農支援【“島”特集】

耕そう、大地と地域のみらい。

募集から就農・定着までステージに応じてサポート

地域の農家が協力し合い、農産物の販売や資材の共同購入など幅広い活動に取り組むJA(農協)が、各地で新規就農者の育成に力を入れている。
実家が農家ではない場合、「農業を始めたい」と思っても、何が必要で、どのような手順を踏めばいいのか分からないという人も多いはず。
JAの就農支援なら、農業者の組織が農地や資材の確保、栽培技術など生産から販売までトータルで支援・相談に乗ってくれるとあって、注目度が高まっている。とはいえ、すぐに一人前になれるほど、農業は甘くないことも事実だ。就農への熱い思いに応えてくれるJAの取り組みと、努力を重ねて独立就農した先輩たちの声を聴いた。

キャラクターの笑味ちゃん

広島県 JA広島ゆたか

↑JA 広島ゆたか・大長選果場

↑JA 広島ゆたか・大長選果場

瀬戸内海の3島を中心に構成されるJA広島ゆたかの管内は、「大長(おおちょう)レモン」などで知られる、国内最大のレモン産地だ。JA広島ゆたかは、行政などの関係機関と連携しながら、新規就農支援を推し進めている。新規就農希望者は、JAの推薦を受けた後に2年間の研修を受ける。取り組みの充実は数字に表れており、ここ5年で10人以上が新規就農、ここ10年間の新規就農者の定着率はなんと驚きの100%だ。実績の背景には、2年間の研修の間に、独立後に必要となる圃場や空き家探しをサポートしてくれるなどの、地域が一体となった支援体制がある。地域の若手柑橘農家で結成した組織があるなど、就農者同士の交流が盛んな点もJA広島ゆたかの魅力のひとつである。

広島ゆたか農業協同組合
〒734-0301 広島県呉市豊町大長5915-8
tel 0823-66-2011
http://www.ja-h-yutaka.or.jp/

就農者へのインタビュー
支援を受けて地域で独立就農

重松亨さん 38 歳
農地 70a
作物 レモン

重松さん

↑重松さん。園地は雄大な瀬戸内海を臨む。

JA広島ゆたかの新規就農支援を受けた後、独立就農した重松さん。独立後は、日々試行錯誤の連続だという。
「農業はやってみないと分からないことが多いですね。たとえば、同じ園地で栽培するのでも、風向きや日当たりなどによって出来が変わる。分からないことばかりなので、毎日必死にやっています。独立就農後も、JAの方は気にかけてくれて、資材などの相談に乗ってくれるので心強いです。」

地域の方からの声が、大きなやりがいになっている。
「『重松さんが来てくれてよかった』と言われたのは嬉しかったですね。整備された園地は古くから代々受け継がれてきたもの。先輩方のおかげで今こうして農業ができていると実感します。受け継がれてきた園地を守っていくということが、私の大きなモチベーションになっていますね。」

自分が支援を受けたように、新規就農者をサポートできる存在になりたい。
「JAや県などの関係機関、そして先輩農家の方々が長年守ってこられた地域の農業の継承に、自分も貢献したいです。新規就農を希望する方が学べるような場を自分で作れれば、とも思っています。先輩方のおかげで今があるので。『つながる農業』を意識して、今後の地域の農業に役立てるよう、頑張っていきたいです。 」

山口県 JA山口大島

ミカン畑

↑ミカン畑の圃場

瀬戸内海で3番目に大きな面積を有し、ミカン栽培の深い歴史を持つ周防大島を管轄するJA山口大島。生産者の高齢化と耕作放棄地の増加を解決するため、町とJA が連携して新規就農支援に取り組んでいる。平成29 年にはJA 出資型法人「周防大島ファーム株式会社」を設立。ファームで園地を保有し、新規就農希望者のための実践的な研修の場を提供している。ファームの研修生は、園地の管理を任され、主体的に作業に取り組む。わからないことがあればJA担当者や先輩農家がその都度相談に乗ってくれるので安心。教科書だけでは分からないことの多い農業だが、JA 山口大島では実践の中で技術と知識を身に着けていくことが出来るのが大きな特長だ。

山口大島農業協同組合
〒742-2301 山口県大島郡周防大島町大字久賀4723
tel 0820-72-0100
http://www.ja-oshima.jp/

研修者へのインタビュー
就農を目指す研修生の声

研修生
藤本忠さん 35 歳
中元悠さん 30 歳
主な作物  ミカン

研修生の藤本さん(右)と中元さん(左)

↑研修生の藤本さん(右)と中元さん(左)

研修生の藤本さんは、平成29年に研修を開始した。2年目の今年は、ファームの圃場の管理をメインで任されている。
「研修とはいえど、自立して作業をやらせてもらえるのが大きいです。2年目の今年は、『ここがだめだったから、今年はこうやろう』と、去年の経験を振り返りながら毎日取り組んでいます。」

平成30年に研修を開始した中元さんは、日々、周囲の方々の支援に助けられていると話す。
「本格的な農業の経験が無かった自分にとって、JAの方や先輩農家の皆さんが指導をして下さる環境は本当にありがたいです。作業効率化の指導をして下さったり、将来の独立就農に向けた圃場探しのアドバイスも頂ける。私は結婚しているのですが、子育てや生活の相談にも乗って下さり、助かっています。」

歴史ある大島みかんを守りたい。
「周囲の方々とお話をすると、大島のミカン栽培の歴史の深さを実感します。大島は景色も良く、作業をしていてもとても気持ち良い。私たちはまだ移住してきたばかりですが、この伝統あるミカン栽培の風景を守りたいと強く思っています。」(藤本さん)
「ファームを大きくすることができれば、新規就農者も増えていくかもしれません。研修ではありますが、しっかりとファームで収穫を行い、いずれは独立して自身の圃場を持ち、地域の生産量の維持・発展に貢献できるようになれば嬉しいですね。」(中元さん)

大島みかん

↑大島みかん

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各JAの新規就農支援


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https://agri.ja-group.jp/support/start