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農林漁業就業・ふるさと情報  Produced by NCA 全国農業会議所

漁業に就業しよう!

ひと括りに漁師といっても、日帰り漁と長期間の漁では、ライフスタイルは全く異なる。また、同じ日帰り漁でも朝型、夜型と操業時間はさまざまだ。
「どこで、どんな漁をしたいか?」を知るために、まずは広く情報収集することから始めよう。

漁業ってどんな仕事?

漁業種類別、漁師のスケジュール例

漁師を目指す時、最初に決めなければならないのは、「沿岸漁業」「沖合漁業」「遠
洋漁業」「養殖業」のどれにするか?
この選択はライフスタイルにも大きくかかわってくる。乗組員になるか、独立して漁師を目指すのかも事前に決めておこう。
なお、以下のスケジュールはあくまで一例。同じ漁法でも、地域や事業体、季節によって操業時間は異なる。
■ 定置網漁…回遊する魚を海底に固定した網の中へ誘導して捕る漁法
■ 刺網漁…海中に網を張り、通過しようとする魚を引っ掛けからめ捕る漁法
■ カゴ漁…浮きを付けたカゴを海底に沈めておき、魚などが入ったら引き揚げる漁法
■ 底引き網漁…2本の綱のついた網を海底に沈め、船で引きながら捕る漁法

漁師になるための支援制度

地方自治体の中には、漁業後継者を育てたり定住者を増やすことを目的に、支援制度を設けているところがある。その内容は以下のとおり。支援内容によって移住先を決めるというのも一つの考え方だ。ただし、定住期間や年齢制限など条件があるので要注意。
■支援制度のある団体
・都道府県、市町村
■支援制度の内容
・漁業研修制度   ・家賃補助
・新築住宅助成金  ・漁船等取得支援
・固定資産税の軽減 ・資格取得助成金
・移住奨励金    ・貸付金制度 等

相談員からのアドバイス

漁師の働き方は多種多様。目的に合わせて選択を

「大海原で自分の力で働く」「田舎暮らし」「稼げる」「美味しい魚が食べられる」など漁師の魅力は様々で、どんな漁をするかによってライフスタイルが異なります。
漁師の働き方には大きく分けて二種類あります。自分の船を持ちひとりで漁をする「独立型」の漁師は水揚げしたものがすべて自分の収入になります。ということは裏返せば魚がたくさん獲れなければ収入は少なく、家計を維持するのは大変です。自分の腕次第の厳しい仕事ですが夢もあります。一方、漁業会社に雇われる「雇用型」の漁師は毎月一定額のお給料が支払われ、水揚げが多いと歩合給として乗組員に還元されます。安定
した給与をもらえることは家族などがいる場合は安心です。
漁業を漁をする場所で分けると近場の沿岸漁業、日本の経済水域内(200海里)での沖合漁業、世界の海を漁場とする遠洋漁業の三つに分かれます。沿岸漁業は日帰りです
が遠洋漁業は長くなると一年の航海に及びます。一年間家族などに会うことができませんが、外国の港に入港したり、南氷洋ではオーロラやペンギンを見ることもあります。何を優先するか、何にチャレンジしたいかによって漁師の仕事は様々な可能
性があります。
現在、漁業界は高齢化が進み、年々減少傾向ではありますが、一度就職してから、幼いころからの夢だった漁師に転職される方や進学校に進んだけれど自分は漁師をしたいと高校を卒業して船に乗る人もいます。一度しかない人生、ましてや感染症や自然災害など予期せぬことが突然起こり得る時代ですので漁師に興味のある人はぜひチャレンジしてください。新しい自分と出会うチャンスです。

【記事協力】
(一社)全国漁業就業者確保育成センター
馬上敦子さん