移住するにあたって、最重要事項の一つが移住先の選定だ。「自分にとって縁のある土地だった」「自然豊かな田園に囲まれて穏やかな生活を送ることができる」など、決め手は人それぞれ。
せっかくの移住で失敗しないためにも、移住先に求めることの優先順位を固めておくことが大切だ。今回の特集では、実際に移住を成功させた農・林・漁業に従事する３人に話を伺った。
移住先の受け入れ態勢が重要！ 事前に下調べをしよう
全国新規就農相談センターが実施するアンケート（表）によると、令和３年度の新規就農者の就農地選択の理由は、「取得・賃借できる土地があった」「行政等の受け入れ・支援対策が整っていた」「就業先・研修先があった」「自然環境がよかった」等が上位を占める。
移住先の受け入れ態勢がいかに重要かがわかる結果だ。気になる移住先があれば、まずは第一次産業で就業するための相談会やフェアに参加したり、移住相談窓口に訪れてみると良いだろう。受けられる支援制度や就業先について相談にのってくれる。相談の際には、自分が移住先で何を実現したいのか、優先順位を決めておこう。自分の希望が明確なほど、相談がスムーズに進むし、移住後に後悔する可能性も少なくなる。
理想の移住ライフを手に入れるためには、事前の準備が大切だ。可能な限り、移住先に足を運び、移住後の生活を具体的にシミュレートできるようにしておこう。
移住にあたって押さえておきたいポイント
「移住に興味はあるけど何から調べればいいかわからない」そんな悩みを持つ人に向けて、特に押さえておきたいポイントを紹介。移住相談に臨む前に、ポイントを整理して移住の軸を決めておこう！
POINT① 研修の有無/内容
移住と切っても切り離せないのが、転職だ。新たに第一次産業に就く人も多い。移住後の就業先や研修・支援制度の有無は確実に押さえておこう。やりたい仕事から移住地を絞っていくのも一つの考え方だ。
POINT② 自然環境
移住を志す理由としてよくあげられるのが自然の豊かさ。海や山が近くにあるので、休日に釣りや登山を楽しむようになったとの声も。やはり都会にはない美しい景観や穏やかな時間の流れを感じることができるのは移住の醍醐味の一つだ。
POINT③ 人間関係
移住ライフの充実度に直結するのが人間関係。できれば移住前に足を運んで、雰囲気をつかんでおきたい。県や市の独自の支援で、移住前に格安で家を借りられることもあるので相談の際にお試し移住ができないか聞いてみよう。
POINT④ 生活のしやすさ
スーパーやホームセンターなどの生活必需品がそろう施設が近くにあるか確認しておくのも重要。自然を求めるあまり、買い物が大変になったというケースも少なくない。自分が満足できる自然と生活の利便性のバランスを理解しておこう。
POINT⑤ 交通アクセス
忘れてはならないのが電車・バスなどの公共の移動手段。車がないと生活が困難な場所も少なくないので、免許証の取得や車の購入が必要となることも。思わぬ出費につながることもあるので要注意。
POINT⑥ 気候や災害の有無
「暑すぎる」「寒すぎる」「雨ばかりで憂鬱・・・」「山奥で土砂崩れが心配」など、実際に住んでみて気づくこともある。これまでの自然災害は総務省統計局HPから確認できるので参考にしてみよう。
https://www.stat.go.jp/data/nihon/29.html
