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手厚い移住者支援策により
子供の頃から夢だった漁師への道を拓く

福井県越前町 古田 涼さん
漁業歴:1年8か月

【ふるた りょう】大阪府吹田市出身。子供の頃から将来は漁師になりたいという夢を持ち、高校在学時から漁業体験に参加。ふくい水産カレッジを経て越前町の漁師となる。

古田 涼さん

夢の実現へ向けて高校在学時から
就業支援フェアや職業体験に参加

日本海に面する福井県越前町にある越前漁港は、若狭湾を眼下に望み、対馬暖流と寒流がぶつかり合う海域により、多くの魚が集まる好漁場として古くから水産業が発達してきた。古田涼さんは高校卒業と同時に福井県随一の水揚量を誇る越前漁港へ飛び込み、定置網漁船で働いている。
大阪府吹田市出身の都会育ちで、漁業とは縁のない生活を送っていた古田さんであったが、「子供の頃から漁師になるのが夢でした」と強い志を持っていた。高校3年生の時、卒業後の進路について考える中で、夢である漁師になるため、就漁へ向けて本格的に行動を起こしていく。
「当時、漁師になりたいという夢を持っていたものの、具体的な漁法などについては一つも知りませんでした。インターネットを使って漁師という仕事について調べていき、定置網や底引き網などといった漁法を知りました。多くの魚種が捕れる定置網がいいかな、なんて考えていましたね。」
漁師について色々と調べるうちに漁業就業支援フェアを知り、大阪で開催されるフェアを訪ねた。このフェアに参加したことが就漁への想いを一気に加速させることとなり、夏休みを使って越前町が実施している漁業体験への参加を決意した。
全国に数ある漁港の中で越前町を選んだ理由には、「あまり遠くに行かないでほしい」という母親の希望があった。どうしたものかと考えていた時、福井県には小浜市に親戚がいたこともあり、越前町ならと了解が得られた。また、フェアで様々なブースを見ていく中で、越前町は移住支援が手厚かったことも大きな理由だった。

↑越前漁港では越前ガニを始め、越前カレ イやブリなど様々な魚種が水揚げされる。

↑越前漁港では越前ガニを始め、越前カレ イやブリなど様々な魚種が水揚げされる。

住居を無償で提供するなど
若手漁師の就漁をサポート

夏休みを活用し、7月下旬から8月上旬で行われる漁業体験に参加した。漁業体験中は、町が用意する移住・二地域居住体験施設「モハージュ」で生活を送ることとなった。漁業体験で利用する際には家賃や光熱費は県や町が負担してくれる。テレビや冷蔵庫、洗濯機など、生活に必要な設備・家電は一通り揃っているので、寝具と生活用品だけ用意すれば生活できる環境が整っている。利用期間は半月ほどではあったが、収入がない学生であった古田さんにとっては非常に大きなサポートだったと振り返る。
「漁業体験での利用でしたので、毎日疲れ果てて寝に帰る、といったような使い方だったのですが、県や町からの援助で宿泊費の負担がないというのはとても助かりました。また、この体験を通じて感じた印象がとても良かったのを覚えています。特に関わった人たちの人柄があまりにも良かったので、もうすぐにでもここで漁師になりたい!という気持ちになりました。」
漁業体験により漁師や越前漁港の良さを強く感じた古田さんは、高校卒業とともに越前町への移住を決め、小樟定置網組合に就職を果たす。越前町では漁業者育成プログラムとして、福井県が創設した「ふくい水産カレッジ」に入校する。ここでは1年間、仕事と並行しながら、漁業者として必要な知識習得へ向けた研修を、月1回のペースで受講していく。カレッジに入校した方には町が研修生専用住宅を無償提供しており、研修修了まで共同生活を送る。
「同期とは家で毎日顔を合わせていたので、その日の仕事や出来事についての話をよくしていましたね。移住者同士のストレス解消にもなりました」と、漁師の仕事と研修を並行して行っていく多忙の中、知らない土地へ移住して漁師を目指すという同じ目標を持つ者同士の共同生活は、心の支えとなる部分もあったようだ。古田さんのような新卒者や貯蓄の少ない人にとって、このような移住者支援住宅を始めとする手厚いサポート制度は心強い。
越前町で漁師となり1年8か月。「いずれは定置網漁船の船頭になりたいですね。30歳になった時に船頭になれていたらいいなと思っています」と語る。子供の頃からの夢をかなえた古田さんにとって、漁船に乗る日々が楽しく、やりがいもひとしおだ。漁師としての誇りを胸に、古田さんは今日も海に出る。

水揚げした牡蠣と大野さん

↑漁は午前4時と午後1時からの2回。基本的には3時間程度で帰港するが、大漁時は午前に出港して昼過ぎの帰港となることもある。

担当者の声

移住先のお気に入り風景