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林業の可能性に夢を託す 奈良の山間で始めた新生活

奈良県野迫川村 吉川 弘修さん
(38歳)林業歴:9ヵ月

【よしかわ こうすけ】兵庫県尼崎市出身。前職は材木屋で、それ以前にも釣り道具店などへの勤務経験がある。今年2月から奈良県吉野郡野迫川村へ移住し、同地の津田林業へ就職。はい積み作業では重機作業を任されるようになっている。

きっかけは林業の動画
すっかり魅了されて移住へ

今年2月から奈良県の野迫川村へ移住し、同地の津田林業で働き始めた吉川弘修さんが、林業への転職を検討するきっかけとなったのは動画投稿サイトで見つけた1本の動画だった。趣味の釣り動画に関連してたまたま表示された林業の動画を興味本位で視聴すると、林業従事者がチェーンソーを自在に操り伐採する姿にすっかり魅了されてしまったのだ。
 
前職は材木屋であり、木に携わる仕事がしたいという想いがあった吉川さん。動画で興味を持った林業について調べてみると、林業は伐採でけでなく間伐や植林、造材などさまざまな作業をしており、木を切るだけではない、自然や人のためになる仕事だということが分かった。また日本の国土の約70%は森林であるにもかかわらず、それらのほとんどが手つかずのままになっているという事実も知り、「やり方次第では大きな可能性を秘めているのではないか?」と考えた。
 
そこでまずは厚生労働省が支援する無料職業訓練「建設業ウェルカム」を活用し、玉掛け技能講習・小型移動式クレーン運転技能講習・車両系建設機械運転技能講習を受講して資格を取り、すぐに林業へ転職できるように準備をしたという。次に奈良県で行われた20日間の林業就業支援講習に参加し、チェーンソーや刈払機の扱い方、安全講習など、林業の下地となる知識と基礎を学んだ。そこで奈良県の人々の林業に対する非常に真剣で前向きな姿勢も知ることができたのも大きな収穫だった。
 
その熱意に触れ、奈良県へ移住したいという想いが湧いた矢先、奈良県で行われた「森林の仕事ガイダンス」で知り合ったのが津田林業だった。その他の林業会社からも声をかけられたが、津田林業は家賃補助や林業に必要な最低限の道具のサポートも受けられるということもあり、迷うことなく同社への就職を決意した。また、林業以外にも椎茸やワサビの栽培なども手掛けているなど、挑戦できる幅が広い点も魅力的だったそうだ。
 

林業から広げる夢
野迫川でさまざまな挑戦をしたい

山間へ踏み込んだ吉川さんを待っていたのは、奈良の山々の急斜面であった。働き始めた当初は慣れない山歩きに苦戦し、滑って転んで落ちてばかりだった。「なぜこんな急な場所で伐採しなければいけないんだろう」と思ったそうだ。動画投稿サイトで見た動画と現実の現場の厳しさに初めはギャップを感じたという。
 
だが、現在は造材や集材・はい積み作業などを任され、特にはい積み作業に関しては上司から重機オペレーターとして今後の成長が期待されている。いろいろな作業を経験させてくれることにやりがいを感じ、中でも間伐作業は一番爽快感を味わえるそうだ。
「切り倒した後に上から眺めると、『あー、すっきりした』と感じるんです。数年後にまたきれいな山に戻るところを想像すると、次世代につながる仕事をしていると実感できるんですよ」と吉川さんは嬉しそうに語った。

重機オペレーターとして訓練中の吉川さん。津田取締役も「彼は安全に作業に取り組もうと努力してくれるのでとても頼りになります」と期待を寄せている。
 
もちろんまだまだ覚えなければならないことはある。しかし辛い時は、講習会で知り合った林業仲間と「今日はこんなことをした」、「こんなことに気を付けよう」などとSNS上で同期だから話せる意見交換をして、気分転換をしているという。上司や先輩も「絶対に無理をするな」、「あまり疲れるようなら休め」と常に気にかけてくれるので、非常に有り難いと感じている。
 

 
今後は林業を広げていく活動や津田林業を大きくする活動、あるいは野迫川村を盛り上げる活動をしたいと考えている。離島を除いて日本一人口が少ない自治体である野迫川村は、裏を返せば“何でもできる・伸びしろのある環境”で新しいことにチャレンジできる場所なのだと吉川さんは熱弁する。「将来的にはキャンプ場を作ったり林産物を作ったり売ったりしたいです、あは狩猟免許を取って、道の駅でジビエ料理を提供したいですね」と林業だけに収まらない大きな夢を語ってくれた。彼の夢が津田林業や野迫川村にどんな刺激を与えていくのか、今後の展開が実に楽しみである。

ワークエントリー

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