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大自然の中で働く喜び
林業の村を支える若い力

長野県根羽村 橋本 真一さん
林業歴8年

神奈川県厚木市から長野県根羽村へ
神奈川県厚木市から長野県根羽村に移住してきた橋本さん。学生時代には地元の郵便局でアルバイトをしていたが、一念発起して根羽村森林組合に就職して約8年。自然の中で充実した日々を送っている。

橋本 真一さん

緑豊かな山村で念願の林業をスタート

長野県根羽村と聞いて、場所がピンとくる人は地理に精通しているに違いない。愛知県名古屋市から東に約50㎞、長野県の西南部に位置し、人口は約1000人。面積(約90km2)の90%を森林が占める、都会の喧騒とは対極にある山村だ
根羽村では、I・Jターンを積極的に受け入れることで、林業の雇用創出を目指すという独自の取り組みを展開している。現に根羽村森林組合では、ほとんどの若者が県外からの移住者だ。
神奈川県厚木市で生まれ育った橋本真一さんも、そんなIターン組の一人だ
アイドルが農業を始めたり、ノマドワーカーがこぞって地方へ移住するなど、田舎暮らしがちょっとしたブームになっているが、橋本さんは「特に田舎暮らしに憧れて根羽村に来たというわけではないんですよ」と苦笑いする。
厚木市と根羽村には、一見なんのつながりもないように思えるが…。
「親類に林業関係者がいたということもあり、もともと林業に対する親しみのようなものがありました。母が根羽村からほど近い岐阜県恵那市の出身で、いくつかの林業の合同面接会に参加しているうちに、親類が近くにいるという縁でここに来ることになりました」
根羽村森林組合に就職し、こちらへ移住したのが平成18年の1月。すっかり田舎暮らしが板についた橋本さんの一日を見てみよう。
毎朝7時30分に事務所に集合し、現場に向かう。通常は8時頃に現場での作業を開始し、17時頃に作業が終了する。これは1年を通して基本的に変わらない。
現在の現場で橋本さんが主に行っている仕事は、木の伐倒と木材の搬出作業だ
「現場では搬出条件に応じて、伐倒した木を林業機器を使い分けながら斜面からおろして集め、トラックが入れる場所まで搬出します」
現場周辺の山で扱うのは主に檜と杉だが、搬出された木材は、素材市場と森林組合工場に振り分けられる。

結果が見えるのが林業のやりがい大切なのは集中力

林業のやりがい、楽しさはどこにあるのだろうか
「現場に入っての作業がほとんどですが、自分たちで責任を持って仕事をすれば、その結果が目に見えることが一番のやりがいですね」
常に危険が付きまとうため、林業の現場では「集中力」が大切だと橋本さんは強調する。
「一歩間違えば命にかかわりますから集中力が必要です。それから、林業は肉体労働ですが、怪我をしないように、また機械を壊したりすることのないように、意外と精神的に気を使う仕事です」
最後に、今後の抱負を聞いた。
「林業だけではなく、農業もやってみたいんですよ。トウモロコシ栽培とか。畑地が余ってますからね(笑)」
大自然の中で働いて自活する――この簡単そうで難しいことを実現できる環境が、ここにはある。

わたしの田舎暮らし

根羽村のいいところは、やはり自然が豊かなところですかね。
結婚したのは2年前です。妻は長野県飯田市の出身ですが、根羽村周辺は不便だとこぼしてます(笑)。確かに、この辺りにはコンビニエンス・ストアなどもないですから…。
地元の祭りなどには積極的に参加しています。
来年は八柱神社の「七年祭」という、7年に一度開催される大きな祭りがありますよ。

根羽村森林組合の事務所に隣接する工場。ここ で木材の加工等が行われる。

根羽村森林組合の事務所に隣接する工場。ここ で木材の加工等が行われる。

集材機からは、木材を引きおろすための 2本のワイヤーが伸びている。

集材機からは、木材を引きおろすための2本のワイヤーが伸びている。

現場では、携帯電話ではなくトランシーバーを 使用。

現場では、携帯電話ではなくトランシーバーを 使用。

ワイヤーでおろしやすい長さにチェーンソーで切断する。

ワイヤーでおろしやすい長さにチェーンソーで切断する。

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