大分県豊後大野市 秋元 崇志さん
(28歳)林業歴:6ヵ月
- 【あきもと たかし】栃木県野木町出身。前職でも自然を相手にする仕事であったが、自然と深く関わりたいと林業の世界へ。
以前は国立・国定公園内にある宿泊施設を運営する一般財団法人で働いていた秋元さん。前職にもやり甲斐を感じていたが、役職がついたことで自然に触れる機会が減り、仕事に違和感を感じる日々が続いた。
「もっと自然に踏み込んだ仕事がしたい!」という気持ちが膨らむと同時に、森林に手を加え、山を作る林業者への憧れが強まり、林業への転職を決意し動き出す。
林業への転職へ向けて調べる中、大分県にある㈱エフバイオスを知る。同社の森の循環サイクルを軸にした事業内容に惹かれた秋元さんは、大分県で行われる企業説明会への参加を決める。それと同時に、当時、福井県に住んでいた秋元さんは、企業説明会までの間に少しでも林業のことを知ろうと、大阪府で開催された森林の仕事ガイダンスにも足を運んだ。各ブースで話を聞いて回った後、会場を出る時に大分県の担当者が声を掛けてくれた。そこで㈱エフバイオスへの就職を希望していることを伝えると「『おおいた林業アカデミー』(以下、アカデミー)で1年間勉強してからではどうだろうか?」と提案を受けた。
㈱エフバイオスの企業説明会で担当者にアカデミーで学んでからの就業について相談すると、「アカデミーを卒業してからの就業でも問題ないですよ」と前向きな回答が得られたことも後押しとなり、アカデミー卒業後に同社への就業が内定した。
居住地選びでは、『おおいた暮らし倶楽部』という移住者支援サイトを利用したほか、おおいた暮らしの移住相談担当者に直接電話したり、資料の送付をお願いした。親身になって相談に乗ってもらい、移住に対する不安は少なくなったという。
アカデミーでは、1 年間森林や林業全般の基礎知識や技術が学べるほか、緑の雇用事業の1年目で取得する資格などにもチャレンジしながら研修を受けられる。
「基礎はもちろん、ICT等の先端技術を活⽤したスマート林業についても学べました。いきなり事業体に入るよりも、林業の仕事について知ることができ、自分が何をしたいのかを体験し、試すことができてよかったです」と秋元さん。また、就業後、仕事内容や出される指示についても、基礎を学んでいたおかげである程度理解することができ、アカデミーでの経験が生きたと振り返る。
これまでは安全に木を倒すことだけを考えて作業していたが、最近は安全面に加え、作業効率や次の工程を考慮した伐倒を心がけているという。「学ぶことは多いですが、自分で考えたり、先輩に意見を貰いながら作業するのが楽しいですね」と話す秋元さんの顔からは、仕事のやりがいと充実感が伝わってくる。
↑「温泉好きなので“ おんせん県おおいた” は最高です!」と移住後の生活を楽しんでいる秋元さん。写真はくじゅう連山の九州最高所にある法華院温泉
↑先輩に学びながら一つ一つ作業を進めていく秋元さん。夏の厳しい暑さは辛かったが、「水道水がミネラルウォーターくらいおいしく感じられましたね!」と笑って話してくれた